レンダリングされた原材料不使用をうたっているペットフードもあります。
レンダリングされた原材料は体に良くないのでしょうか?
一概に体に悪いとは言えません。
この記事ではレンダリングとは何か、どんなメリット、デメリットがあるのかを紹介します。
レンダリングとは?
レンダリングとは、牛、豚、鶏肉を生産する上で必要とされている最終工程のことです。
普段、皆さんが口にするお肉は処理工場で食用と食用にならない部分(皮、臓器、骨、羽毛など)に分けられます。
食用にならない部分をレンダリング処理することによって、他の動物の飼料や農作物の肥料、燃料などとして有効利用されます。
食用にならない部分を高温で加熱し油を搾りだすことで油脂と固形物に分ける工程をレンダリングと呼びます。
レンダリングからできるペットフードの原材料
動物性油脂
食用にならない部分を高温、高圧で処理された油脂は精製処理をされて動物性油脂となります。
高温で処理されるため同時に殺菌も行われます。
動物性ミール
食用にならない部分から油脂を絞り出した後に残る固形物を粉砕しふるい掛けしたものが動物性ミールとなります。
原材料によって、チキンミール、家禽ミール、ミートミールなどと呼ばれます。
鶏、豚からできたものは動物性たんぱく質飼料として、飼料メーカー、ペットフードメーカーに販売されます。
フェザーミール
鶏の羽毛を高温で加熱、加圧し、130℃以上で加水分解した後に真空乾燥処理をして粉末状にしたものがフェザーミールです。
フェザーミールは他の動物の飼料や肥料として利用されます。
一部の犬用猫用療法食の中にはフェザーミールを原材料としている製品もあります。
肉骨紛
牛肉からできたもの(動物性油脂や肉骨粉など)は牛海綿状脳症(BSE)の感染源となる危険性を考慮して、他の動物の飼料の原材料とはせず燃料やセメントの材料として利用されます。
日本の飼料安全法上、2001年10月から牛の肉骨紛の製造、出荷が禁止されていました。
牛海綿状脳症(BSE)の発生リスクが減少したことから、2014年1月以降は牛の肉骨紛の肥料利用が再開されています。
レンダリングされた原材料は危険?
レンダリングされて製造されたチキンミールやミートミールは加圧、加熱処理され殺菌された原材料です。
ペットフード安全法で禁じられている危険な原材料には該当しません。
ペットフードメーカーはペットフード安全法に基づいて衛生的に製造された原材料を使用することが義務付けられています。
国内メーカーは原材料の受け入れ時に安全性を確認し、海外メーカーについても、日本のペットフード安全法に合致する衛生基準で管理、製造された製品が日本への輸入を許可されます。
ペットフード安全法が守られているかは農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が抜き打ちで製品の検査を実施しています。
抜き打ち検査の結果は公表され、安全性に問題がある製品が見つかった際は、メーカーは回収、廃棄することを命じられます。
レンダリングされた原材料のメリット・デメリット
メリット
・コストが抑えられる。
・たんぱく質の供給源として安定して調達できる。
デメリット
・どの部位を使用しているのか管理が難しい。
・正肉に比べ、リンやカルシウムの量が多い傾向があるので、腎疾患などがある時は配慮が必要。
・必須アミノ酸をバランスよくとりづらい。
ミートミールなどのいわゆる副産物を利用する一番のメリットは経済性です。
ただし、高齢や病気でリンやカルシウムを多くとりすぎたくない場合や、毛づやや筋肉の付き方が気になるなど必須アミノ酸をバランスよくとりたい場合などは食事を見直してもいいかもしれません。